紛争の内容
20代の相談者でした。
4社ほどから借金がありましたが、いずれも借入の経緯としては、知人に騙されてしまい借金をしてしまったとのことや、ようやく就いたばかりの仕事が多忙を極め、裁判所の手続に応じることが難しい(家計簿などの書類を作ることや必要書類をとる時間もない)一方で、借りたお金なのでどんな理由であれ返したいということを熱望されておりました。
任意整理の方法では、破産や個人再生のように借金が減ることはなく、また月々に返済に回せるお金の総額は決まっているところ、あくまで任意の交渉手続のため債権者が一社でも応じなければ任意整理が成り立たないことから、債務者の方にメリットが乏しい手続でしたが、例外的に、債務整理の方法によることになりました。
交渉・調停・訴訟等の経過
4社に対し、それぞれ受任通知を送付し、任意整理による方法を提案し、交渉を開始しました。
債権者によっては、家計状況を確認したいとか、ある程度の一時金を支払ってもらわないと厳しいなどということもあり、返事のスピードもバラバラでした。
1社ずつ、無理のない範囲で月々の弁済額を決め、和解した内容による限り将来利息は請求しない内容で和解の締結を進めました。
本事例の結末
無事に、それぞれの債権者に対応し、債務者の無理のない限度で、すべての債権者との間で任意整理をすることができました。
これにより、破産や個人再生という裁判所の手続を行わず、比較的短期間のうちに支払を再開することになりました。
本事例に学ぶこと
任意整理を選択する例外的な場合もありますが、現実では、一旦、任意整理を進めた後に、ほどなくして、やはり支払えないとして、結局、自己破産や個人再生を行うという方を多くみて参りました。
金額が小さい場合ならともかくとして、基本的には、自己破産もしくは小規模個人再生の手続により、債務を免除または大幅に減額して支払をするということをお勧めしております。
債務整理には大きく分けて3つの手続があります。
自己破産
小規模個人再生
任意整理
どの手続が最善かどうか、ご相談にお越しいただければ丁寧にご説明いたします。
一緒に手段を選択して参りましょう。
弁護士 時田 剛志