交渉・調停・訴訟等の経過
約760万円の負債のある方の個人再生申立事件について、裁判所から個人再生委員に選任されました。この方は、正社員として勤務して、部長職の役職についており、勤務先は定年のない会社であるため、今後4年以上は勤務が可能である状況でした。
この債務者の方は、不動産をお持ちであり、ご自身が持っている財産と同程度の金額について返済を行う必要があるという個人再生事件のルール(清算価値弁済と言います)に従い、330万円程度の返済をする必要がありした。
また、家計簿、給与明細、預金通帳を提出してもらった結果、ひと月7万円程度の返済を行うことを4年程度継続できる見込みが確認できました。
そのため、裁判所に対して、個人再生手続を開始すべきであるという意見を、個人再生委員として提出し、同手続を開始してもらいました。
その後、債権者から、債権の届出があり、届出がされた債権の金額について、債務者の方から異議が出ることはありませんでした。そして、債務者が作成した、ひと月7万円程度を4年で返済するという再生計画について、債権者の方から異議が出されることが無く、私としても計画通りの返済が可能であると判断しましたので、再生計画を認可するのが適当であるという意見を裁判所へ提出しました。
本事例の結末
裁判所が再生計画を認可する決定を出しました。
本事例に学ぶこと
債務者の方の、家計簿、通帳、給与明細を確認して、収入と収支のバランスを検討して、適当な再生計画を認可してもらうという手続きを実践できました。
弁護士 村本 拓哉