紛争の内容
破産者は、子どもの出産などを契機に支出が増えた結果、生活費の補てんのため借入れを行うようになりました。しかし、その後収入が下がってしまったため、返済に苦慮しました。

そこで破産申立てを行ったところ、当職が裁判所から破産管財人に選任されました。

交渉・調停・訴訟等の経過
破産者の財産を調査した結果、預貯金などもそれなりの金額が残っていたため、一部債権者に返済できることが判明しました。

そこで、簡易配当手続により、各債権者へ、債権額に応じて配当を行いました。

本事例の結末
各債権者に対し、もちろん全額とは言えませんが、多少の配当を行うことができました。

破産者の免責については、免責を不許可にするだけの事由はないと判断し、免責を許可すべき旨裁判所に意見しました。

その結果、無事破産者の免責が許可されました。

本事例に学ぶこと
今回の破産者のように、債権全額の返済はできないとしても、ある程度の財産がある場合には、債権者へ配当が行われる場合があります。

もっとも、債権者へ財産を配当する場合でも、破産者は全て財産を失うというわけではなく、最低限の財産(さいたま地裁においては、99万円)を手元に残すことができます。

そのため、「ある程度の財産がある場合には、破産できないのではないか?」とお悩みの方は、是非一度弁護士に相談してみてください。

弁護士 小野塚 直毅