紛争の内容
ご依頼様は、生活費や自動車の購入費用に充てるために、およそ5社から500万円ほどを借り入れました。

ただ、体調不良などで仕事量が減り、収入が減ったことで、借入の返済が難しくなり、自己破産申立のご依頼をいただきました。

借入したお金をギャンブル(競馬など)に使ったり、クレジットで購入した電化製品を売却して現金化するなどの行為があり、これらが免責不許可事由にあたるとされて、管財手続になる可能性がありました。

交渉・調停・訴訟等の経過
ご依頼者様の家計にはあまり余剰がなく、常にギリギリの状態でした。

管財手続となると20万円の予納金が必要となりますが、この金額を捻出することもかなり難しい状態でした。

そのため、何とか同時廃止手続としていただくために、家計に余裕がないこと、ギャンブルや換金行為の悪質性は低いこと、ご本人がギャンブルや換金行為について深く反省していること、管財予納金20万円を生活費などに回すことがご本人の経済的再生に役立つことなどを内容とする上申書を添付して、自己破産申立を行いました。

本事例の結末
自己破産申立を行った後、裁判所から、ギャンブルについて追加の説明を求める旨の指示を受けました。

その指示についても、迅速かつ丁寧に事情を説明しました。その結果、裁判所は、上申書の内容などを考慮してくださり同時廃止手続となりました。

そして、無事、免責許可決定を得ることができました。

本事例に学ぶこと
ギャンブルや換金行為等の免責不許可事由がある場合、自己破産申立をしても管財手続になることが多いです。

ただ、そのような場合でも、家計の状況やそれぞれの免責不許可事由について事情(悪質性の低さやご本人の反省)を詳細かつ丁寧に説明することで、裁判所にも事情をご理解いただき、同時廃止手続・免責許可決定を得ることができることを学びました。

弁護士 権田 健一郎