依頼内容
10年以上前から収入が不安定な状態が続いており家計の補填として借入れ等を行っていた、借りては返しての状態であったが返済が滞るということはなかったが、数年前に親族が亡くなり葬儀費用等でまとまったお金が必要となりさらなる借入れを行った、収入の中で返済をしていこうと考えていたが、病気が発覚し以前のように働くことが難しくなったというご相談でした。

持ち家はなく、免責関係にも問題がなさそうでしたので、自己破産手続申立代理人として受任しました。

負債状況
400万円程度

資産状況
めぼしい財産なし

方針・事件処理の結果
途中、病気の手術や経過観察の関係で申立てまでに時間がかかりましたが、月々の家計簿や必要書類を揃えた上で破産に至る経緯を詳細に整理し裁判所に対して破産手続申立てを行いました。

申立後、裁判所からの補正事項も少なく、その追完をしたタイミングで破産管財人を選任しない同時廃止手続で進めるとの連絡がありました。

その数か月後、無事、免責許可決定が下されました。

本事例に学ぶこと
裁判所における破産手続の進め方には、裁判所のみが関与する同時廃止手続と裁判所に加え破産管財人が関与する管財手続の2種類があります。

同時廃止手続は、原則的に、換価・配当可能な財産がなく、免責の観点からも問題がないという事案について選択され、破産手続開始と同時に破産手続が廃止となるため、債権者に破産者の財産状況等を報告する債権者集会は開催されません。

最近では免責の前提として破産者が裁判所に出頭する免責審尋期日も開催されなくなっているため、同時廃止手続では一度も裁判所に行かずして破産手続が完結してしまいます。

いずれの手続が選択されるかについては個々の事案の性質によりますが、弊所ではご相談の際にある程度の見通しをお伝えしておりますので、その点が気がかりであるという場合には一度ご相談いただければ幸いです。

弁護士 吉田 竜二