紛争の内容
相談者は、これまでの勤務先を退職して新たな生活を始めようとしていたところ、転職先の事情が変わり、さらにFX取引で失敗して多額の負債を抱えてしまい、退職後の計画が狂ってしまいました。
多額の借金を返す目処も立たなくなったことからご相談にいらっしゃいました。

交渉・調停・訴訟等の経過
相談者は住宅ローンを抱えており、どうしても住宅を守ることを要望されていました。
そこで、住宅ローン特則付小規模個人再生の方途を採用することになりました。

本件で最大の問題は、相談者が転職したばかりで、再生計画通りにきちんと返済することができるのか、履行可能性に疑義がありました。

そこで、まずは家計簿を付けていただく中でその内容に注意をし、再生計画案どおりの返済が認められた場合に、住宅ローンや債務の弁済をしながらもきちんと黒字家計が保てるよう、検討していきました。

本事例の結末
転職後に安定した収入を得続けていけるのか疑義があったため、再生委員が就きました。

もっとも、家計を丁寧に見直し、仮に計画案が認められた場合に計画通りに返済履行していくことができるのか数ヶ月テストした結果、問題がないと認められるに至りました。

その結果、最終的に、私たちの作成した再生計画案通りの内容が裁判所に認められました。

本事例に学ぶこと
民事再生手続にあたってもっとも重要なのは、計画通りにきちんと返済を続けていくことができるか、裁判所に納得してもらうことにあります。
本件では、適切な家計簿の作成・履行テストをしていく中で、無事再生計画の認可が得られた事案となりました。

弁護士 吉田 竜二
弁護士 平栗 丈嗣