紛争の内容
相談者の方は、不安定な雇用環境下で働き続け、心身も壊してしまい、消費者金融会社から生活費を借り入れていました。
時間の経過とともにさらに心身の状況が悪化し、働くことができずに生活保護受給を開始し、借金の返済をすることができなくなってしまいました。そこで、自己破産手続を依頼されるに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
破産手続開始申立・免責許可決定申立にあたっては、破産に至る経緯を詳細に記載した申立書を裁判所に提出します。
もっとも、依頼者は記憶が欠落してしまっており、ご自身で整理することができませんでした。
そこで、打ち合わせの際に、様々なエピソードとセットにした記憶喚起を行い、どうにかこれまでの経緯を整理していくことができました。
本事例の結末
最終的に、無事、破産管財人が就かない同時廃止手続が認められ、免責許可が決定されました。
本事例に学ぶこと
破産するにまで至るには、様々な事情が存在します。
この依頼者のように、心身を壊してしまい、記憶があいまいになってしまい、破産手続申立すらままならない場合もあります。
本件では、エピソード記憶との関連性という学習心理学的アプローチをとることで、きちんとした申立てをすることができるに至りました。
弁護士 平栗 丈嗣