紛争の内容
依頼者の方は、もともと観光業界で働いていましたが、新型コロナウイルスの感染流行により人々の行動が制限され、業績が大きく悪化しました。
そのため、収入が減少してしまいました。
その後、依頼者の方は結婚されましたが、配偶者の方も収入が減っており、生活費が足りず、消費者金融や銀行からの借り入れが徐々に増えていきました。
一度は司法書士に依頼し、任意整理をおこないましたが、返済計画に無理があったため、途中で頓挫してしまいました。
妊娠をきっかけに、働くことができなくなったため、生活を再建するために、自己破産手続きのご依頼をされました。
交渉・調停・訴訟等の経過
債権者は4社、負債は約200万円でした。
ご依頼を受けた後は、債権者に対して受任通知を発送するとともに、申立資料の収集や準備などを行っていきました。
申立てまでの間には出産もありましたが、少しずつ書類を準備していただきました。
本件では、借り入れの原因は新型コロナウイルスや生活費の補填であり、やむを得ないものでした。
また、出産後は子育ての費用もかかっていたため、管財費用の積み立てが困難でした。
そこで、同時廃止事件が相当であるとして、裁判所に申立てをおこないました。
本事例の結末
本件は、同時廃止事件として処理されることになりました。
その後も問題は発生せず、最終的に免責が許可されました。
本事例に学ぶこと
依頼者の方は、出産等もあり大変だったと思いますが、着実に準備を進めていただけました。
また、子育ての出費もありましたが、家計の収支がマイナスにならないよう、気を付けていただきました。
結果、無事に免責が認められ、新しい家族とともに再出発をすることができました。
弁護士 赤木 誠治