紛争の内容
依頼者は諸事情があり、破産手続の方法による借金の返済をすることができませんでした。そこで、個人再生手続の方法による方法しか選び得ませんでした。他方、給与所得者再生の方法によると、毎月の支払金額が大きくなりすぎてしまうため、小規模個人再生の方法を取らざると得ませんでしたが、過半数債権者がいることが分かっており、小規模個人再生での解決ができるか不安要素が多々ありながらも進めていくしかありませんでした。

交渉・調停・訴訟等の経過
過半数債権者がいることが分かっていため、申立てにあたり、事前に当該債権者に対し、小規模個人再生の方式によることに異議を出さないでほしい旨のお願いをしました。もっともあくまでお願いであり、実際に当該債権者がどのような対応を取るかは不透明でした。
できる限り完璧な申立てができるよう、詳細に詰めて検討した上で申立書を作成し、裁判所に申立てを行いました。

本事例の結末
最終的に、過半数債権者が小規模個人再生の方式によることに異議を出さなかったため、小規模個人再生による債務の圧縮をすることができました。

本事例に学ぶこと
弊所では、弁護士と法務スタッフという法律の知見に長けたスタッフ(いわゆるパラリーガル)が協力して、債務整理事件の処理にあたっています。本件では、小規模個人再生の方法による再生計画の認可が得られることが不可欠であったため、慎重に確実に申立書の作成をしていきました。もちろん全事件において同様に意識で事件処理にあたっていますが、本件では特に法務スタッフが慎重に丁寧に、その知見・経験を活かし、できるかぎり完璧に近い申立てを行い、さらに債権者への手紙等可能な限りの手は尽くしました。それが奏功し、異議が出されることなく、小規模個人再生による方法での再生計画の認可が得られるに至りました。いつも以上に、法務スタッフの尽力の成果が現れた事案となりました。

弁護士 平栗 丈嗣