依頼内容
20年程前に一度自己破産をして免責許可決定を得たが、収入が不安定な配偶者を抱えて生活をする中で生活費が不足し、徐々に借入れが膨らんでいった、何とか返済を継続しようと考えていたが利息が増え続け返済がままならなくなったとのご相談でした。

借入れの原因に浪費的な側面はなく、初回の破産手続終了から相当程度の時間が経過していたため、二度目の破産手続申立ての代理人として受任しました。

負債状況
1200万円程度(うち900万円は子らの奨学金の保証部分)

資産状況
めぼしい財産なし

方針・事件処理の結果
奨学金の保証人部分の金額は大きかったものの、自ら行った借入れは生活費の補填が主であり、初回の破産手続申立てから20年程度が経過していたこと等の事情から二度目ではありましたが自己破産手続を選択しました。

二度目の破産手続申立てということで破産管財人が選任される手続となり、開始決定後、破産管財人との面談を行いました。現在の配偶者の収入状況等の確認がなされ、今後、家計が破綻することはないかについて厳しいチェックを受けました。

多くない手元の資産について追って自由財産拡張の処理がなされました。

結果として、破産手続については換価可能な財産が見当たらないとして異時廃止となり、免責手続については破産管財人から免責不許可事由は存在しないとの意見が提出され、後日、裁判所から再度の免責許可決定が下されました。

本事例に学ぶこと
過去に破産歴がある場合、近いタイミングで再度、破産手続の申立てを行うと免責不許可事由があるものとして扱われ、免責が認められないということになりますが、初回の破産手続から数十年が経過している場合には再度の免責が得られる場合があります。

過去に破産歴があることで債務整理を躊躇するということがあるかもしれませんが、裁判所の手続が利用できないというわけではありませんので、お悩みの方は是非一度ご相談いただければ幸いです。

弁護士 吉田竜二