紛争の内容
破産者は、遊興費のために500万円程度の負債を作り、弁護士に債務整理を依頼しました。しかし、その後も、弁護士に預金口座の存在を隠したまま、その預金口座からギャンブルのための送金を行い、かつ、破産管財人に対しても預金口座の存在やギャンブルのための送金を隠していました。破産管財人が調査した結果、このような口座の存在と送金の事実が確認されました。
交渉・調停・訴訟などの経過
破産者はかつて破産手続きを利用して免責を受けていたことがあり、今回は2度目の破産の申し立てであったことを考慮して、上記のような財産隠しとギャンブルのための送金は悪質であると考え、免責不許可の意見を出しました。
本事例の結末
裁判所が免責不許可を決定しました。その後、破産者の代理人弁護士は、不服の申立てを行わないことを決め、免責不許可の決定の効力は確定しました。
本事例に学ぶこと
債務者の預金口座の存在を把握しないまま破産の申立てをすることの怖さを学びました。必要書類として使用していない預金口座まで提出を求めること、財産を隠すことが免責不許可の理由になる旨を注意喚起することの大切さを実感しました。
弁護士 村本拓哉