事案の内容

依頼者の方は、専門学校に通学していましたが、家庭の事情により多額の奨学金を借りていました。
専門学校を卒業後、正社員として就職しましたが、奨学金の返済が重くのしかかったほか、同居していたご両親の病気などが重なり、生活費のための借り入れもするようになりました。

その結果、毎月の返済額が大きくなり、借り入れの枠が少しでも空いたら、すぐに借り入れて返済に充てるというような状況になりました。

事案の経過

今回の依頼者の方は、まだ若く、かつ、正社員としてしっかりとした収入が今後も見込める方でした。
また、本人にも少しでも返済したいという意欲があったことから、小規模個人再生を申し立てました。

この方の個人再生の手続きにおいては、個人再生委員が選任されました。
個人再生の手続き中は、毎月家計簿を作成するとともに、返済予定額を積み立て、個人再生委員に報告しました。
依頼者の方は、ご家族の協力もあり、毎月きちんと家計簿を作成し、積み立ても行うことができました。

本事例の結末

再生計画案に対して、債権者からの反対はなく、無事に認可・確定しました。
債務は、約800万円から約160万円へと、約20パーセントに圧縮されました。
本件では、ご両親の体調等も考慮し、4年間での返済計画が認められました。
依頼者の方は、上記の金額を4年間で返済していくことになります。

本事例に学ぶこと

本件では、客観的にも主観的にも小規模個人再生が可能であったことから、この手続きを選択しました。
依頼者の方は、毎月きちんと家計簿を提出し、必要書類もすみやかに用意していただいたため、滞りなく手続きが進みました。

弁護士 赤木 誠治