紛争の内容
ご依頼者様は、コロナ過でのリモートワーク中に、オンラインカジノにのめりこみ、(リアル)カジノとは異なり、クレジットカード利用が可能であったため、自己資金以上に費消してしまいました。さらに、その返済等のために借り入れを重ねていました。借金で借金を返すという自転車操業状態になっていました。
勤務先が新型コロナの影響を受けやすい業種であったこともあり減収が続き、借入が約1200万円にまで膨らんでいました。
ただ、ご依頼者様は、破産手続によらず、借金を少しずつでも返していきたいというご意向でしたので、継続的な収入もありましたことから、個人再生事件のご依頼をいただきました。
交渉・調停・訴訟などの経過
依頼者世帯は、夫婦共働きで、お子さんはいませんでした。
夫婦二人の収入が相応にあったためか、従前は家計に余剰があまり出ておらず、再生計画の履行可能性が実現できない可能性がありましたので、弁護士から家計指導を行いました。
削れる支出は削っていただく等した結果、家計の余剰が弁済予定額の月額負担額を上回ってきたため、個人再生手続きの申立てを行うことができました。
申立後、裁判所から、収入資料や家計等の追加提出の指示がありましたので、速やかに用意するよう促し、追加提出しました。
本事例の結末
家計の余剰と弁済予定額の関係から、5年間60か月の弁済が望ましかったため、5年間での弁済の再生計画案を提出し、何度か訂正を重ねた後、無事、再生計画認可決定が出されました。
本事例に学ぶこと
弁護士に依頼した直後は、家計に余剰が出ないことがあります。そのような場合でも、弁護士が家計指導を行い、それを理解し、返済原資をねん出する余裕ある家計を実現しました。
再生委員が選任されることはありませんでしたが、裁判所からの資料の追完指示についても真摯に対応しつつ、堅実な家計の継続を報告することにより、再生計画認可決定を得るまでに至りました。
弁護士 榎 本 誉
弁護士 権田健一郎