紛争の内容
依頼者の方は、企業の営業職として働いていました。
ところが、仕事のストレスもあり、ギャンブルや風俗にのめり込むようになってしまいました。
次第に、消費者金融から借り入れをしてそれらの浪費に使うようになりました。
負債額は徐々に膨らんでいき、返済のためにほかの業者から借り入れる自転車操業の状態になったほか、ご依頼の直前期は、学生時代の奨学金の返済すらままならない状況でした。
あまりにも負債が膨らんでしまったこと、そして、負債の原因に浪費があることから、当初は管財事件になることを想定しての自己破産として、ご依頼を受けました。
交渉・調停・訴訟などの経過
受任後、申立書類の準備等を進めていました。
ところが、依頼者の方は、その途中で身体を壊してしまい、会社を辞めることになりました。
それに伴い、実家に戻りました。
そうしたところ、事情を知った親族の方から、債務額のうち相当な割合を返済できる額の、金銭の援助の申し出がありました。
そのまま自己破産の手続きを進めるという選択肢もありましたが、依頼者本人の希望もあり、任意整理に方針を変更することになりました。
本事例の結末
本件は、一括返済が可能な債権者も多くあったため、債務の減額に応じる債権者も多数ありました。
結果、1社以外は債務を完済し、残った1社についても無理のない返済計画での和解を締結することができました。
本事例に学ぶこと
本件は、親族の援助があったというイレギュラーなケースですが、一括返済ができる場合には、債務額を減額できる可能性があることを示すものといえます。
弁護士 赤木誠治