紛争の内容
一度、破産をしたことのある方で、ギャンブルが原因で再び借金をしてしまい、債務整理を希望しました。もっとも、破産をする場合には法律上ついてはいけない職業についておられ、かつて破産をしたことがあり、借金の原因がギャンブルであるということで、破産による免責を受けられない危険もありました。そのため、借金の一部を減少させる個人再生手続きを申し立てることにしました。
交渉・調停・訴訟などの経過
個人再生手続きにおいては、転職をせずに安定的な給与を受け取っていることが有利に働くのですが、依頼者の方は、転職をしており、また、転職後の職業はけがにより退職し、元の職業に最近になって戻っているという事情がありました。このような事情を考慮してか、裁判所の方で、申立てをした人がきちんと個人再生手続きによる債務整理を実行できるのかをチェックする個人再生委員を選任しました。
そして、依頼者の方は個人再生委員の面談を受け、面談においては家計のことを詳しく聞かれましたが、個人再生手続きによって100万円を3年間で毎月約2万8000円ずつ返済すればよいところ、2万8000円以上の金額を貯金できることを約束し、その通りに実行して頂けました。
本事例の結末
毎月、貯金を続け、個人再生委員にもそのことを報告しました結果、個人再生の申立てをしてから約8か月後に、100万円を3年で返済するという当方の提出する再生計画案が認可されました。
本事例に学ぶこ
と
2回目の債務整理であったり、借金をした原因がギャンブルであったり、最近に転職をしているという不利な事情があっても、安定した貯金ができるような場合には、個人再生手続きによる債務整理が可能であることを学びました。
弁護士 村本拓哉