紛争の内容
住宅ローン債務とその他の債務を抱えた自営業者の方が、債務整理相談に見えられました。
過去に自己破産しているので、二度目の破産はしたくないとの希望でした。
ひとり暮らしの住宅ローン付きの一戸建てには未練がなく、近所の親族宅で暮らすことが可能とのことでしたので、住宅ローン特則付でない、個人再生事件として受任しました。
交渉・調停・訴訟などの経過
住宅ローン債務の圧縮が課題となり、任意売却により、高額での売却を目指しました。
しかし、自宅の任意売却がかなわず、競売が申し立てられました。住宅ローンは完済されるかと期待しましたが、150万円ほどが残りました。
住宅の残ローンも含めて、個人再生で圧縮すれば、最低弁済額100万円になる見込みでした。
準備中に、実父が死去し、相続が発生したため、清算価値基準となり、全額の返済を覚悟しなければなりませんでした。
そこで、返済についての自由度の高い、任意整理に方針を変更し、各債権者に提案し、交渉を開始しました。
本事例の結末
任意整理の各示談交渉をしたところ、複数の債権者から、大幅な減額を受けることができ、結果、余裕をもって返済できる月額負担額となりました。
本事例に学ぶこと
二度目の破産を回避したいと考える方もいます。
一度目の自己破産による免責許可を受けたその後憎むことができた住宅ローン付きの住宅を維持するために、利用する方はよく見受けられます。
しかし、住居が身に余り、未練も終着もない方であれば、自宅を売却処分して、残債務を含めて、個人再生により債務を圧縮します。
今回の依頼者は、手続き準備中に、相続が発生し、相続放棄を選択しないことから、原則3年の返済計画による個人再生を選択せず、任意整理を選択したものです。
結果、望外の大幅な減額を得ることができ、債務の整理に成功しました。
債務整理方針は、依頼者の状況に応じてフレキシブルに対応できるという良い事例となりました。