事案の内容

 会社員としての収入がある方が個人再生を申立したものの、配偶者が当該申立てを知らないことから、家計の状況、収入の評価や履行可能性が問題となったため、再生委員として当事務所野田が選任された事案です。
 

手続などの経過

 再生委員選任後、申立人と代理人と打合せを行い、家計状況などを確認するための資料、そして、履行可能性で問題となった点についての資料提出を求めました。
 その後、継続して収入状況を確認し、家計状況も正確に申告していると考えられるとの認定を行いました。

本事例の結末

履行可能性もあると判断したので、認可の意見書を提出し、裁判所からも認可決定が出ました。

本事例に学ぶこと

本件では、申立人が配偶者に説明していなかったことから、家計状況の信用性に疑問が付き、結果、再生委員が選任されるに至りました。
申立代理人としては、配偶者への説明はしておくように依頼者を説得することが必要ですし、当事務所では、必ず配偶者には説明してもらっています。
なお、配偶者に説明していないにもかかわらず説明していると偽り、正確でない家計状況を出したとしても、多くの場合、裁判所の書記官や再生委員は、正確でないであろうことを見抜きます。
そのような場合には、最悪の場合には再生計画が認可されないなどの不利益が生じますので、やはり、特に個人再生の場合には、配偶者への説明と協力が不可欠であると当事務所では考えています。

弁護士 野田泰彦