事案の概要(紛争の内容)

 自営業をしていた60代女性のAさんは、40代のころから仕事の資金や生活費などを消費者金融に借りるようになっていましたが、夫もAさんご自身も体調を崩し、自営業を続けられなくなってしまったため、100万円以上残っていた債務についても返済が出来なくなってしまいました。そこで、自己破産を検討したいとして、弊所にご相談にいらっしゃいました。当初は自己破産を検討していたところ、弊所にて取引履歴の開示・引き直し計算をしてみると、古い借り入れ先に、100万円以上の過払い金が生じていることが分かりました。そこで、急きょ同借入先に過払金の支払いを求めましたが、任意の支払はしてもらえなかったため、訴訟を提起し回収を図ることとなりました。

交渉・調停・訴訟などの経過

 訴訟では、金融機関から、古い履歴が残っていないなどとして、発生している過払金の額に争う旨の主張が出されましたが、この点はAさんの返済状況に滞りがなかったと推測させる証拠など提出し、当初の金融機関の提案よりも数十万円アップした内容で和解をすることとなりました。

本事例の結末

 上記の和解により支払いを受けた金員で、残りの債務を全て支払った上で弁護士費用も支払うことができたAさんは、新たに借金等のない生活を始めることができました。

本事例に学ぶこと

古くからの債務がある方、それもきちんと弁済をしてきた方の中には、未だに過払金が残っている方もおられるので、自己破産を検討していたとしても、その必要がなくなるということもあると感じました。