紛争の内容

 ご相談者は、15年程前に消費者金融から借入れを繰り返していましたが、色々と多忙であったためその間支払いをせずにいたところ、債権を譲り受けた会社(債権者)から、支払いを求める催促が頻発しており、当事務所に相談されました。

交渉・調停・訴訟などの経過

 借入れの経緯(最終弁済日)からして、消滅時効が完成している可能性が高いと判断し、弁護士が代理人として内容証明郵便を発送しました。

本事例の結末

 消滅時効を援用する通知をしてから、一度だけ、債務者の下に、債権者から催促の通知が届きました。そのため、弁護士から直接、債権者に問い合わせたところ、債権者の不手際から誤って催促をしてしまったとのことでした。
 結局、消滅時効の通知は受理しており、これにて、消滅時効の効果が確定し、債権者は、債権を取り立てることはできなくなりました。

本事例に学ぶこと

 消滅時効を考える上で気を付けなければならないことは、消滅時効の期間が進行、あるいは完成している場合であっても、その後に弁済義務があることを認めてしまうと、債務を「承認」したとして、再び、消滅時効の期間がいわば、ふり出しに戻ってしまうことです。従って、消滅時効が考えられる事案で重要なことは、弁護士に依頼するなどして、消滅時効を援用する前に、直接債権者と対話をしない方が無難であるということです。