破産をした個人の方に生じる制限について その1

「破産をしたいけれども、手続によってどのような義務や制限が生じるか不安だ」という方も多いのではないでしょうか。
破産手続には段階がありますが、まず法的に制限が生じるようになるのは、破産手続開始決定(破産手続の申立てをしてから、裁判所が手続の開始を決定すること)後のことです。

まず第一に生じる義務としては、破産者(破産手続の申立てをし、手続開始決定を経た者)自身・破産者の代理人及び代理人であった者・破産者が会社の場合などにはその従業員などは、破産に関して必要な説明をする義務があります。
説明を拒んだり、虚偽の説明をした場合には懲役刑や罰金などの罰則もあります。
また、個人の破産においては、このような説明拒否や虚偽説明が免責不許可事由に該当してしまうこともあります。

第二に、裁判所の許可なく居住地を離れてはいけなかったり、場合によって裁判所から引致(身体の事由を拘束した者を所定の場所などに強制的に連行すること)を命じられることもあります。
また、通信の秘密の制限があり、郵便物等を管財人にてチェックされるということもあります。この居住地などの制限や通信の秘密の制限についても、罰則があります。

第三に、裁判所が列挙する重要財産については、その財産の内容を裁判所に書面で明らかにせねばなりません。
これも、違反した場合には免責不許可事由になる場合があります。

以上のとおり、破産者の自由には制限が課されていますが、破産をする目的を達成するためにも、当然のことながら裁判所や管財人からの説明要求などには誠実に応じる必要があります。

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