資格取得や就職等をする場合、本籍地の役所で取得した身分証明書の提出を求められることがあります。
役所の発行する身分証明書は、運転免許証等のいわゆる身分証明書とは異なり、成年後見の有無、破産の有無等を公的に証明する書類です。
身分証明書の証明事項の一つに破産の有無がありますが、それは本籍地の市町村が管理する破産者名簿の記載の有無により判断されます。
では、破産をした人はすべて破産者名簿に記載されるのでしょうか。
結論として破産をした人の大半は破産者名簿には記載されません。
以前は破産手続開始決定を受けた人について破産者名簿に記載をしていましたが、現在、破産者名簿に記載されるのは、破産手続開始決定を受けたものの免責許可決定を受けられなかった人に限定されています。
破産をした人のうち免責許可決定を受けられない人(初回の破産から時間が経っていない、浪費の程度が著しい、多額の財産を隠匿している等の問題がある人)の割合は極めて少数(1%未満)ですので、破産をした=破産者名簿に記載される=就職先等に破産の事実が判明するというケースも極めて稀であるということになります。
なお、身分証明書は本人(またはその代理人)以外の取得を想定していませんので、第三者が容易に確認できる情報でもありません。
破産歴がどのような形で露見するか不安に思う方が多くいらっしゃるかと思いますが、基本的な日常生活を送る上では基本的には露見しないと考えていただいてよいかと考えます。