自由財産について(99万円を超える財産を有する場合はどうするか?)

自己破産は、高額な財産がある場合などには、原則としてそれらを換価して債権者への配当などに充てられます。

家財道具や現金といった日々生活するのに必要な財産については、さいたま地方裁判所の運用によれば基本的に99万円の評価額分までは自由財産として手元に残せることになっています。

この99万円を超える財産については、原則としては破産財団という破産管財人が管理処分する権限を有するものに組み入れられます。疾病や高齢、障害などやむを得ない事情により、99万円を超える財産を手元に残す必要がある破産者については99万円を超えて自由財産拡張を認めるケースもないではないのですが、これは例外的な取り扱いといえます。

したがって、基本的には99万円を超える財産については手元に残らないということになりますが、たとえば「持病があるので保険に新たに加入することは出来ない。保険の解約返戻金を財団に組み入れられてしまうと困る。」といった場合には、99万円を超える部分について、預貯金・現金等、他の財産を組み入れて対応できることもあります。