奨学金の保証人の方へ

平成30年11月1日付朝日新聞(東京版)の1面において、学生支援機構(国の奨学金事業を実施している機関)が、保証人への返済請求に際して、「分別の利益」という保証人に有利な法律上の主張を教示せずに全額を請求していたことが報じられました。

「分別の利益」というのは、複数の保証人がいる場合に、その人数に応じて等しい割合で保証責任を負う、というもので、民法に規定されています(但し、連帯保証人は全額の保証責任を負います。)。

従って、「分別の利益」を主張した保証人は、保証している奨学金のうちの半額についてのみ返済義務を負うのですが、「分別の利益」を主張しなかった保証人は、奨学金の全額を支払う義務を負うことになります。

訴訟手続的には、「分別の利益」は、保証人の側から主張する「抗弁」というものなので、機構の対応が違法というわけではないのですが、国の機関の対応として問題が無いとは言えないように思います。

その点は措くとしても、いずれにしても、保証責任が半額と全額では、負担が全く異なります。
 
ご親族、とくに、甥や姪の奨学金の保証人になっているという方は多いと思います。

奨学金の保証人になっている皆様、学生支援機構からの請求額を減らすことができる可能性がありますので、ぜひ一度、当事務所にご相談にお越しください。