貸金(キャッシング)と立替金(ショッピング)の利用で残高があるクレジットカードについて、貸金だけの債務整理ができるでしょうか。
例えば、自動車をローンで購入し、現在ローンの支払中であり、同じカード会社でキャッシングもしている場合。
車のローンだけはこのまま支払を継続し、キャッシングだけを弁護士に依頼して債務整理をする、ということは基本的にできません。
債権者に受任通知を発送すれば、債権者の方で、受任通知記載のお名前や生年月日、ご住所から該当者を洗い出し、その方が契約しているすべての債権を代理人である弁護士に提出することになるからです。
破産手続きになる場合は、
今後支払をしないことになりますので、ローンを支払わずに自動車に乗り続けることはできません。
自動車はローン会社に引揚げられて、ローン会社が換価(自動車を売却して現金に換えることです)してローン残高と相殺します。
それでもなおローンが残る場合にはその額と、キャッシング残高があればそれも加えた合計額が、ローン会社の債権額、つまりその方ご自身の債務額となります。
しかしこの債務額は、最終的に裁判所の免責決定(支払を免除される決定)がおりると支払が免除されます。
同じ場合で任意整理(債権者と和解して返済していく債務整理)をする場合。
これも同様に、キャッシングとショッピングのどちらか一方だけの債務整理をすることはできませんが、任意整理は基本的には債権者と、ローンの一括払い、もしくは分割払いの和解をして支払を継続するので、自動車も引き続き使用できることになります。
もしくは、ローンの支払が残りわずかであれば、先にお支払いを終えてから、キャッシングだけについて弁護士に依頼され、一括もしくは分割払いの和解をして支払をしていく、というパターンもあります。
破産手続きの場合はすべての債権者をお届け頂くことになりますが、任意整理の場合には、キャッシングの整理をしようと思って依頼したつもりが、同じカード会社でローン契約やインターネットのプロバイダー料金の支払引き落とし、携帯電話の引き落としなど設定されていてクレジット払いが継続して発生している場合には、お支払い方法を変更して頂くなどご注意が必要です。
債務整理ご相談の際には、ご自身のご契約内容やローン契約内容など詳細のわかる資料(クレジット会社からの請求書など)を持参されて弁護士にご相談されることをおすすめします。