自己破産のご依頼を受けるときに、このように質問される方が、結構いらっしゃいます。
すると、弁護士は、「顔に書いてある訳じゃあるまいし、自分から言わない限り、他人に知られる事は少ないですよ」などとお答えしています。
「絶対に知られることはありません。」とは、言えませんが、通常の日常生活をされるにあたり、破産した事実が人目にさらされる機会は、非常に低いのではないかと思います。
選挙権が無くなるわけでもありませんし、銀行で口座を開設したり、キャッシュカードも作れます(但し、ローンの申込やローン機能付きのカードは作れません)。
住民票や戸籍に破産したことが記載されることも無いからです。
ただし、自己破産では、破産決定2週間後と免責決定2週間後の官報に掲載され、一般国民に公示されます。
官報とは、政府が発行する重要な刊行物(新聞のようなもの)で、毎日発行され、全国に販売所がありますが、一般に馴染みは少なく、あえて調べようとして探さなければ、日常生活をしていて、他人の目に触れる機会は、ほとんどありません。
むしろ、新たに仕事をしようとする時に、資格制限(いわゆる職業規制)があるので、事前のご確認が必要かと思います。
以下にあげる職業が制限されている主なもの(下記は一部であり、規制される職業は多数あります)ですが、破産決定後から免責までの期間のみの制限にとどまる職業もあれば、期間の定めなく制限される職業もあるので、ご注意ください。
・商工会議所会員
・株式会社の取締役及び監査役
・有限会社の取締役及び監査役
・証券会社の外務員
・旅行業者
・宅地建物取引業者
・中央卸売市場の卸売業者
・建設業法に定める建設業者
・損害保険代理店
・風俗営業及びその管理者
・警備員
以上