当事務所では、破産管財事件の申立ても行いますが、所属弁護士が破産管財人の選任を受けてもいます。
 破産申立て事件において、破産手続開始決定がなされ、同時に、破産管財人の選任を受けることになります。
 破産管財人の職務は、破産財団所属財産の換価、つまり、現金化をすることになります。

 また、破産者宛の郵便物は、転送手続により、破産管財人事務所に転送されますが、その転送郵便物を点検確認することにより、破産申立て時に発覚していなかった財産が判明することがあります。
 多くの上場会社では、毎年6月に株主総会を開催することが多いため、株式を保有していた破産者宛の、証券会社等からの郵便物が転送されてきます。
 その内容と、申立書記載の財産目録を照らし合わせます。
 偶々、今回は、2件の管財手続事件において、株式を保有していること、また、保有株式数の申告より、多いことが発覚しました。
 いずれの破産者も、その保有を忘れていたり、資料がなかったことから記憶に基づいて申告したようで、財産隠しの意図はうかがえませんでしたので、破産者名義の株式の売却手続きをとることになりました。

 また、株式投資をして、財政が破たんし、破産申立てを行わざるを得ないことがあります。免責調査を行うべき、破産管財事件として処理されることになります。
 免責不許可を恐れて、申立代理人に虚偽の事実を申告しても、上記のように、発覚しかねないのですから、原則に立ち返り、事実をありのままに申告し、その後の堅実な生活の再建を行い、裁判所の裁量により、免責の許可を受けうる道を選ぶのがベターだと考えます。