会社が破産すると取締役はどうなりますか

会社と取締役との関係は委任関係にあります。委任関係は通常、一方が破産すると終了することになっています。また、会社の破産手続が開始すると、財産管理処分権は、破産管財人に専属し(破産法78条1項)、手続開始後、取締役には財産を処分する権限がなくなります。

ただし、財産管理処分権限と無関係な会社組織に関する行為(例えば、役員の選任や解任など)は、破産管財人の権限には含まれないと考えられており、取締役はこれらの行為については、破産をしたとしても会社との委任関係が当然には終了せず、その権限を行使することができるという裁判例があります(最判平成21.4.17参照)。

したがって、簡単に言えば、取締役の方は、会社の破産により職を失い、会社からの報酬は受領できなくなります。

なお、代表取締役の方は、法人の破産申立後、残務処理のため、破産管財人からの協力を求められることもあります。一般的にはこの協力についても無償ということになります。ただし、再就職まで妨げられるものではありません。