会社が破産する場合、当社で請け負っていたビルの建設工事はどうなりますか。

この場合、破産管財人は、そのまま建設工事を続行するか、請負契約を解除するか選択することができます(破産法53条1項)。請負人が破産した(裁判所から破産手続開始決定を受けた)ということだけでは、注文者の方から契約を解除することはできません。

破産管財人が工事の続行を選択した場合、破産会社ないしは第三者が工事を完成させます。工事の報酬については、破産管財人が注文者に支払いを求めることになります。

逆に、破産管財人が契約の解除を選択した場合ですが、この場合でも既に施工済みの出来高部分までは解除することができませんので、破産手続開始決定前になされた工事の結果は注文者に帰属します(建設途中のその物件は注文者のものになります)。破産管財人は、注文者に対し、その出来高部分に相当する報酬・費用を請求します。

一般的には、破産管財人が請負契約を解除し、未履行部分については別の業者と注文者が新たな契約を交わして、別の業者に工事を完成してもらうことが多いようです。