紛争の内容
依頼者は長年にわたって飲食店を営んでいましたが、過剰な設備投資によって多額の負債を抱えていたところにさらに新型コロナウイルス感染症の影響を受けて、もはや借金の返済をしていくことができなくなりました。
もっとも、依頼者は住宅ローンが残っており、破産の途を選ぶことができず、高齢者ながらも住宅ローン特則付き民事再生の途を選ぶしかありませんでした。
交渉・調停・訴訟等の経過
民事再生においてもっとも重要なことは、再生計画案に従って確実に返済をしていくことができるのかという履行可能性をどう論証していくかという点にあります。
まだ定年前の会社員ということであればある程度目処を立てることができますが、本件のように、高齢者かつ会社員ではなく将来にわたって安定して収入が得られるかどうか疑問が残る方の場合には、別途履行可能性について厚く説得することができなければなりません。
そこで、依頼者のこれまでの飲食店での経歴等を客観的な資料を付けて詳細に説明することで、一般的なリタイアした高齢者ではないことを強く強く説明していき、履行可能性が十分に認められると裁判所に認めてもらうようアプローチしていきました。
本事例の結末
綿密な準備が奏功し、無事、私たちが作成した再生計画案での返済をしていくことを裁判所に認めてもらうことができました。
本事例に学ぶこと
高齢者だから、〇〇だから、と諦めるのは早いです。様々な観点から履行可能性を支える事情をもって再生計画の背景事情を組み込むことで、本件のように再生計画が認められるに至る場合もあります。
何が使えるのか、個別具体的な事情によって異なるため、ぜひ一度相談にお越しいただき、何か方策を考えていくことができればと思います。
弁護士 平栗 丈嗣