紛争の内容
依頼者は数十年にわたって建築業界で事業を行ってきました。
事業規模が大きくなり、間もなく法人化というタイミングで新型コロナウイルス感染症の影響による急激な業績悪化により運転資金がなくなり、破産するに至りました。
交渉・調停・訴訟等の経過
個人事業主の破産といっても、事実上小規模な法人破産のような申立て業務が必要となりました。
過去の決算資料を読み取り、丁寧に財産の内容を確認し、破産に至る経緯を詳細に聞き取ってまとめていくこととなりました。
もっとも、申立て前に清算業務を完了させ、事業を停止して時間も経過していたことから、破産管財人としての業務に近しいことも行い、同時廃止決定を得られないか裁判所に打診しました。
本事例の結末
裁判所からは大量の追完指示がなされましたが、丁寧に回答することで、破産管財人が就かない同時廃止決定を得ることができ、免責不許可事由もなかったため無事に免責許可決定を得ることができました。
本事例に学ぶこと
個人事業主の破産といっても、一件一件規模に大きな差異があります。
本件は実質的には小規模な法人の破産と同様のものとなりました。
決算書を丁寧に読み解き、きちんと整理をして申立てを行ったことで、スムーズな手続終了まで辿り着くことができました。
弁護士 平栗 丈嗣