紛争の内容
破産者は、月収25万円ほどである中で会社の同僚などと外食や飲酒、衣料などに5年間で800万円を費やし、ほぼ借金でこのような遊興費や生活費を賄うようになってしまっていました。

借入可能額が自身の財産と同じような感覚に陥り、借りては返しを繰り返していましたが、ついに給与のほとんどを借金雄返済に充てる形になってしまい、破産申立をするために弁護士に相談するようになりました。

交渉・調停・訴訟等の経過
管財人としては、破産者の具体的な遊興費の使い方などを転送郵便物などからも漏れがないか確認しましたが、やはりこのような破産者の行為は当時の収入などから踏まえれば浪費であって、免責不許可事由に当たると判断しました。

本事例の結末
免責不許可事由(浪費行為)は認められるものの、この件についての管財人面接やその後の補充指示等にも破産者は誠実に応じてくださり、また反省文の提出などもございました。

また債権者からは免責についての意見もなかったので、経済的更生を図るべく、今回限り免責を許可するのが相当であると考え、本破産者に対しては、裁判所の裁量により、免責を許可するのが相当であるとの意見を述べました。

免責調査期日において、破産裁判所裁判官からも今後破産者にて引き続きの更生のための努力促しがありました。

本事例に学ぶこと
免責不許可事由があったとしても、その経緯について破産者が理解し、反省をしていること、そしてその反省の態度を裁判所に示すことができれば、裁量免責を得ることは可能であると感じました。

弁護士 相川 一ゑ