自己破産をすると、いわゆるブラックリストに載り、今後新たにクレジットカードを作ったり、新しく借入れを行ったりすることが困難になります。このブラックリストについて多くの方が関心を持たれているところであり、また、誤解されています。
ブラックリストとは
いわゆる「ブラックリストに載る」というのは、信用情報機関の個人信用情報に経済的事故(通常の返済を行うことができなかった事案が発生したこと)情報が登録されることを言います。
信用情報の管理
信用情報機関の種類
信用情報の収集と貸金業者に対する信用情報の提供を行う業務(信用情報提供等業務)を行うものとして内閣総理大臣から指定を受けた信用情報機関を指定信用情報機関といいます(日本貸金業協会ホームページより引用)。
株式会社日本信用情報機構(JICC)と株式会社シー・アイ・シー(CIC)、これに加え、全国銀行個人信用情報センター(KSC)が、いわゆる信用情報機関にあたります。
各金融機関(銀行、カード会社など)によって、どの機関に加入しているかは異なります。貸金業法上、指定信用情報機関は加入貸金業者の名簿を公衆の縦覧に供しなければならないと定められている(貸金業法第41条の25)ため、調査すればこれらの情報を得ることはできます。
登録されている個人信用情報
貸金業者は、個人の顧客と貸付けに係る契約を締結したときには、貸付けに関する信用情報を加盟している指定信用情報機関に提供することが義務づけられています(貸金業法第41条の35)。
具体的には、本人識別情報として、氏名・住所・生年月日・電話番号・勤務先・運転免許証番号・パスポート記号、契約内容として、契約年月日・貸付金額・貸付残高・元本や利息の支払遅延の有無等、が提供されることになります。
延滞情報の掲載期間
各信用機関とも、延滞情報について5年とされています。
もっとも、延滞情報に載ったからといって、必ず借入ができなくなるわけではなく、自己破産して5年経過前に新たにクレジットカードを作ることができたとの話しも聞きます。
実際には、各金融機関が自ら貸し倒れ(返済してもらえないこと)リスクを踏まえて、経営判断の下で判断しているようです。
ブラックリスト掲載を知る方法
ブラックリストに掲載されてしまうと、クレジットカードが作れなくなるだけでなく、住宅ローン審査に引っかかる、携帯電話契約における審査に通らない、新たに賃貸住宅を借りる際の審査に通らない、などの生活上の不便に直面することになります。
そこで、各信用情報機関は、個人情報の開示請求をすれば、その状況を教えてくれます。
重大な勘違い~債務整理についてのポータルサイトに注意~
昨今、あらゆる情報がインターネット上にあふれ、専門的な情報にも容易にアクセスできるようになりました。債務整理についてもその例外ではありません。
しかし、その内容は玉石混交であり、時には誤った情報が掲載されているものがあるため、注意が必要です。
最近見つけたサイトを例にあげますと、
「弁護士のところに相談に行って、自己破産の方法を先に示す弁護士は悪徳弁護士だ。まずは、ブラックリストに載らない(今後の借入に影響がでない)任意整理の方法によるのが当たり前だ。破産手続はとても楽な手続であり、弁護士が儲かるため、やたら破産を薦めてくるのだ。だから、○○(いくつか司法書士事務所や法律事務所が掲載)に頼むのが良い。」
などと掲載されていました。
まず、任意整理、すなわち、弁護士や司法書士がが、各金融機関・カード会社に対し、毎月の支払金額の減額、支払期間の猶予、利息・遅延損害金のカットの交渉を連絡した段階で、その債務者はいわゆる信用事故を起こしてしまっているわけですから、当然ブラックリスト(CIC・JICC等の信用情報機関)に載ります。任意整理であれば何も問題がない、という説明は誤ってます。
次に、破産申立手続にあたっては、多くの資料を揃えねばならず、債務者にも資料の提出・家計簿の記入・情報の提供・これらを踏まえた申立書の作成、など決して楽な手続などではありません。ましてや、その後、破産管財人がついた場合には、さらに手続は複雑となります。
任意整理をすることが間違いとは言いません。調整しながら、借りたものを何とか返していくということはもっとも望ましいといえましょう。
しかし、債務者によっては、そのようなことが非現実的な方も多くいらっしゃいます。任意整理で一時しのぎをしても、抜本的な解決にならないことが多いのです。そうすると、遅かれ早かれ破産手続をしなければならないのに、むやみに任意整理のための報酬を弁護士や司法書士に支払うことになっているのです。
弁護士に依頼するメリット
次に、司法書士と比べた場合に弁護士に依頼するメリットを交えてご説明します。
まず、インターネットで検索した場合、弁護士事務所と司法書士事務所がでてきて、両者の違いが不明かと思います。
例えば自己破産を依頼する場合に、弁護士と司法書士に依頼した場合の違いはなんでしょうか。自己破産や個人再生は地方裁判所(例えば埼玉の場合は、さいたま地方裁判所等)に申し立てを行う必要があります。
弁護士に依頼した場合は、弁護士が債権者に連絡をとり窓口になるほか、代理人として裁判所に手続きの申立てをします。また、裁判官・書記官・破産管財人・個人再生員といった関係者とも、弁護士が連絡をとりあいます。
他方で、司法書士は、特定の分野しか代理人業務をすることができず、自己破産や個人再生では代理ができません。どういうことかというと、要は司法書士の場合は、申立の書類をつくってもらうだけであり、債権者の窓口になることもできませんし、裁判所とのやりとりも自分でやる必要があります。
その分、報酬等を弁護士より少し安くしている所もありますが、様々な対応を個人がやることになるので負担は大きいです。
グリーンリーフ法律事務所は、設立以来30年以上の実績があり、17名の弁護士が所属する、埼玉県ではトップクラスの法律事務所です。 また、各分野について専門チームを設けており、ご依頼を受けた場合は、専門チームの弁護士が担当します。まずは、一度お気軽にご相談ください。