債権回収会社からの通知

借入れ等の返済が滞り、ある程度の期間が経過すると債権者が次々変わっていく場合があります。
典型的には、当初の債権者→保証会社→債権回収会社と債権者が入れ替わっていき、債権者が変わる都度、その旨を記載した書面が届くことになります。

ほとんどのケースでは、債権者が入れ替わりつつも、消滅時効期間が経過するまでのある時点で当該時点の債権者が裁判等手続を利用することで消滅時効が完成しないよう債権の保全が行われます。

ところが、場合によっては、消滅時効期間が経過した後に債権者が入れ替わり、当該債権者が裁判等手続を利用するということがあります。

その場合、当該債権については既に消滅時効期間が経過していますので、裁判等手続において消滅時効を主張することで返済を免れることができるのですが、裁判所からの書類を放置していた等の理由で、それをせずに消滅時効主張の機会を失ってしまう(裁判所は消滅時効の主張がなされない限り、消滅時効期間が経過していても消滅時効が完成しているという判断を下しません)というパターンが散見されます。

消滅時効期間経過後に債権を譲り受ける債権回収会社はまさにその状態を狙っており、判決を得た後、それを根拠に財産に対する強制執行を行ってくる可能性があります。

法的には支払う必要のなかった債権について財産の差押えを受け、破産を余儀なくされたというケースも多くありますので、忘れた頃にやってくる債権回収会社からの書面には注意が必要です。

5年ないし10年以上前の借金について最近になって債権回収会社から手紙が届いたという方は手紙に書いてある連絡先に対して連絡をする前に弁護士に相談することを強くお勧めいたします。