裁判所で破産や個人再生といった債務整理手続をする場合、最低2か月分の家計簿を提出することになっております。
また、このような手続が終了するまで、家計簿はつけ続けるようお願いしております。
なぜこのような家計簿提出が必要かというと、そもそも破産や個人再生をするに至った経緯として、家計の管理に問題があるというケースがほとんどであって、今後手続を経て経済的な立ち直りを目指すにも、同じような杜撰な家計管理をしてしまっては、それも難しくなるから、ということが理由の一つとして挙げられるかと思います。
また、この家計簿の中で、きちんと毎月黒字になっているのに、現金・預貯金等がないということは、何か明らかにできないお金の流れがあるのではないか、といった疑いにつながることもあります。
多重債務にお悩みとのことで弁護士に相談にいらっしゃる方は、大抵「家計簿をつける習慣がこれまで全くなかった」という場合がほとんどですし、家計簿を毎日つけるということは非常に面倒ではありますが、これをきっかけに、「自分がこんなに無駄遣いしていたのだと気づけた」と仰る方もいらっしゃいます。
自分の債務について破産や個人再生をするか否かも迷っている、という方も、家計簿をつけてみて法的手続の要否が検討しやすくなる面もあります。
ですから、法的手続に踏み切るかどうかは措くとしても、毎月の債務の弁済に苦労をしているという方は、是非積極的に家計簿をつけるように心がけていただきたいと思います。