管財人が選任される破産事件(管財事件)では、破産開始決定から手続終了までの期間、債務者に宛てて発送された郵便物は全て管財人の事務所に転送されます。
そのため、「裁判所での手続が始まったら、自宅に自分宛ての郵便物が届かなくなった」、「今年は自分宛ての年賀状が1通も来ない!」ということが起こるのです。
なぜこのような仕組みになっているかというと、管財人が転送郵便物をチェックすることで、
・債権者一覧表から漏れている債権者がいないか(他に借入がないか)
⇒金融機関・業者からの請求書で判明
・他に財産を隠していないか
⇒市町村からの納税通知書で判明
・申告されていない免責不許可事由がないか
⇒パチンコ店等からのダイレクトメールで判明
を調べるためです。
管財人のもとに届いた転送郵便物は、通常は、
①事前に郵便切手を管財人に渡しておき、一定の頻度で、まとめて管財人から債務者宛てに郵送してもらう(管財人から債務者への郵送は、「管財人発信のため転送不要」と書かれ、そのまま債務者のもとに届きます)
②一定の頻度で、債務者自身が管財人の事務所に取りに行く
のどちらかの方法で返却してもらいます(どちらにするかは管財人と話し合って決めます)。
なお、管財人が確認して緊急性があると判断した郵便物については、管財人から債務者にその旨の連絡が行き、個別に対応してもらえることが多いです。
ちなみに、宅配便についてはこのような転送はされず、債務者のもとに直接届きます。