紛争の内容
住宅は家族が住み、依頼者は単身赴任をしていたケースで、住宅ローン特則を利用した個人再生手続をとることができるか、また申立場所がさいたま地方裁判所でよいのか問題になりました。
交渉・調停・訴訟などの経過
単身赴任が終了したら、自宅に戻る予定であること週に4,5回はご自宅に戻っているとのご事情などから、住宅ローン特則の「住宅」に該当するとして申立をしました。
本事例の結末
「住宅」に該当する旨の報告書を添付した上で、住宅ローン特則についての「住宅」の要件については満たされると判断され、住宅ローン特則を利用することができました。
そのほか、「生活の本拠」といえるかという点について、生活の本拠地であること(家族と過ごす時間などを含め、実質的に生活しているといえるなど)の主張をして、さいたま地方裁判所での申立が認められました。
本事例に学ぶこと
住宅ローン特則を利用する際には、住んでいる住宅であることが必要となります。
単身赴任であっても、そこに家族が居住しており数年後には、同所に戻って生活をするということが決まっている場合には住宅にあたります。
また、個人再生の申立ては、生活の本拠で行う必要があります。住民票があることは生活の本拠という一つの要素となりますが、実態も伴っていなければなりません。そのため、そこでの生活をしているという事情(家族が生活をしており、頻繁に帰宅をし、そこで生活を実際にしているなどの事情)が必要になります。
個人再生をする場合に、「どこで」申立をするべきか「住宅ローンが利用できるか」などひとつずつ確認をすることが必要と学びました。