「老後2000万円問題」が叫ばれた時期もありましたが、自己破産した場合、老後にはどんな影響があるでしょうか。
まず気になるのは「年金」だと思います。自己破産した場合には年金がもらえなくなる、と思っている方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)は差押えが禁止されている財産です(国民年金法24条、厚生年金保険法41条、国家公務員共済組合法48条)。
差押えが禁止されている財産は、自己破産の手続上、自由財産として扱われ、受給資格がなくなることはありません。
つまり、影響はないということです。
また、企業年金(確定給付企業年金、確定拠出年金、厚生年金基金)も差押えが禁止されていますので、公的年金と同様、受給資格はなくなりません(確定給付企業年金法34条1項、確定拠出年金法32条1項、厚生年金保険法41条1項)。
一方で、民間の生命保険会社等の商品である個人年金は、公的年金等とは違って差押えが禁止されていません。
したがって、原則、解約して換価されてしまいます(自由財産の範囲内の場合には、残せる可能性はあります。)。
なお、公的年金の保険料は、自己破産をしても免責されませんので、税金と同様にきちんと納める必要があります。